キミの夢が叶うのは

 

「推しがデビューするんです」

同僚に向けてそう口に出した瞬間、ふわふわしていたその言葉が一気に現実味を帯びて、わかりやすく手が震えた。

 

令和3728日。なにわの日。いろんな雑誌がまるでみなさんご存知の祝日ですよと言わんばかりにこぞって彼らの名前を挙げた、奇妙な高揚感と少しの不安と、口には出さないけど期待にまみれたふしぎないちにち。

もしかしたらって取った午後休、だけど仕事が片付かなくて、せめて無音でもってデスクで配信を見た。

はっきり文字が画面に映らなくても、モニターを見上げるその表情だけでわかった、ああ、この子たちに、やっと七人一緒の未来が確約されたんだって。

 

デビューは永遠じゃない、それはたった三年前に痛いほど思い知らされた。どんなに輝かしく見える瞬間が続いたって、どれほどの循環する愛情を信じたって、永遠になんて続かない。いつかどんな形でも、たぶん終わりはやってくる。

それでもやっぱり、愛されるために生まれたみたいなあの子たちが、たくさんの向かい風と冷たい雨に晒されてなお、きらきらと煌めく笑顔とひだまりに似た愛情を携えて未来へ進んでいくあの子たちが、少しでも長く安心して抱き合っていられる約束があるなら、それが、デビューだと思った。

 

仙台で感じたうれしさは、わたしにとってそのまま『なにわ男子』そのものだった。なにわちゃんにお仕事が決まること、なにわちゃんが楽しそうにしてること、どんどん、関係性でもパフォーマンスでも見て取れる、いいグループになっていくこと。

ぜんぶぜんぶうれしくて、応援していて『うれしい』の感情が一番にやってくる、こんなグループを好きになれたことが幸運だなと冗談でなくそう思う。

全公演MC配信に乗せて、きっと誰もが頭の片隅で期待した『デビュー発表』の瞬間をその場にいられないファンにもリアルタイムで見せてくれたこと、そればかりか、リアルタイムが叶わなかったファンにもアーカイブで体験させてくれることも、すごくすごくうれしくて、こんな采配ができるおとなたちが周りにいる彼らでよかったと思う。

 

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デビューに際して、昔からの友人から、「おめでとうとお疲れとどっちがいい?」と連絡をもらった。

思えば遠くへ来たもんだ、関ジャニで仲良くなってジュニアを応援し始めた彼女に誘われた時は、「いつ辞めるかわからん子なんて絶対悲しくなるからよう推さん」、そんなふうに答えたのに。

デビューは永遠じゃない、そう思い知ったからこそかもしれない、でも、わたしはなにより、彼の、彼らのやさしくてまばゆいきらめきに救われて、その背中を押してきた。

 

お疲れって言ってもらえるほど死に物狂いじゃなかった、私のスタンスは昔からいろんな思いを積み上げて彼らをみつめていた人からしたら思うところもあるかもしれない。ふしぎと、なにわ男子を好きでいることに疲れたことは、この二年少しの間で一度もなかった。

わたしにとって、彼らの快進撃は、彼らのきらめきは、きっとなにより救いだったから。

 

 

未来の話をたくさんし続けてきた大橋くんがはっきりと過去に触れたこと、ほんとうにこどもみたいな泣き顔で、でもしっかり大橋くんの肩を支えたマンネちゃん、ちゅんさんの「ごめんなさい置いてけぼりにして」、泣き崩れたきょろちゃんの腕を取ったりゅちぇとぐっと抱きしめたしゅんちゃん、どれもこれも特別で、きっとずっと忘れない。

 

悔しさを、うれしさを、輪になって肩を組んでともにしていける、そんなあなたたちだからこんなにもいとおしくてうれしいのでしょう。

今まで関わってきたいろんな人からのおめでとうも、彼らのこれまでがやさしく肯定された気がして、とてもうれしかった。実家キャストの愛情ったらもう。

 

『可愛い』は、愛す可しって書きますね。

わたしはずっとずーっと、なにわちゃんが、なにわ男子が、誰かに愛されるために生まれてきたグループだって、そう思っています。

 

 

なにわ男子、デビュー決定ほんとうにおめでとう。

 

粘り勝ちだけじゃない、誰かの掌の上で最初から決められてたわけでもない、他でもないあなたたちだから選べた、掴み取れたデビューだって、そう思います。

 

関西から全国へ、全国から世界へ。どこまでも愛されるあなたたちが、どうかどうか、一秒でも長く、一瞬でも多く、あなたたちがあなたたちらしくあれる、きらめきに溢れたきらきらの今が、続いていきますように。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして藤原丈一郎くん、わたしにとって人生で二人目の、ジャニーズでこの人を担ごうと決めたひと。

 

迷ったらしんどい方の道へ、そうやって選び続けたきみの道がここに君の夢を運んできたんだと、これまでの全ての選択肢に、はなまるをつけてあげられる、そんな日のひとつに、728日がなっていたらいいな。

 

ながいながい第一章を終えて、スタート地点に立つ瞬間を見届けられること、ほんとうにうれしく思います。

 

誰かがあなたを選んだだけじゃない、あなたが選び続けたからこその、自分自身の満塁逆転ホームラン。

聞き届けたそのときの衣装が、大好きな野球の、あなたの夢の階段をひとつ大きくした高校野球の応援歌のための衣装だったことも、デビュー決定の発表直後、大きく天に人差し指を突き上げた背中も、その瞬間立った0番の立ち位置も、なにもかも、あなたのための正解で、あなたのためのこたえだったよ。

 

あなたがこれからもたくさんの夢を叶える瞬間を見届けられるチャンスを、わたしにくれてありがとう。

デビュー、ほんとうにほんとうにおめでとう、これからも。