威風堂々、弾けて煌めけ。

なにわ男子の持つひかりは、"煌めき"だと思う。圧倒的なまばゆい強さも、なにもかもを打ち返すような力ではないけれど、誰もが心惹かれてやまない、両手のなかですくいあげられる、けどきっと海にも夜空にも広がるような、きらきらとしたたくさんの、小さくてつよいひかり。

そんな煌めきをまとった新しい曲が、また彼らのところにやってきた。

Shall we…?とSoda Pop Loveが最高だよって話です。


《!》フラットな視点のないこじつけ思い込みの強いブログなので、その辺どうぞご留意ください。




なにわ男子はセンター移動型ユニットだけど、Shall we…?は恭平、Soda Pop Loveは流星センター曲という印象。

ふたつとも両国初披露予定だったっていうのがすごい、中間管理職シンメが顔の曲が同時披露なのめちゃくちゃかっこよくて面白い、なにわ男子超強い。

Shall we…?は緞帳の上がるオープニング曲、Soda Pop Loveは幕の上がるエンディング曲っぽい。




Shall we…?の煌めきは、粒子の細かいシアーな、すこしぬめりを感じるホログラムなかんじ。そう感じるのは、湿度のある恭平のキーが低めの、でも歌い上げるフェイクから始まる印象が強いからかな。

なんの説明もなく唐突にぶち込まれた、なにわ男子にこれまでなかった和メロラップの新境地。どなたかが仰っていた西のJAPONICA STYLEは言い得て妙だなと思った。

初めての東京単独公演になる国技館合わせの新曲だったんだろうな、と言うのがひとめでわかる曲だからこそ、Shall we…?は、今までにない『戦闘民族・なにわ男子』というか、『西から東へのカチコミ曲』というか、そういうちょっとバチバチしたものをまとった曲だと感じている。後述するSoda Pop Loveが『僕対キミ』のラブソングだとしたら、Shall we…?は『ナニワ対東』の宣戦布告に近い、でもどうしようもない東へのラブソング、なのかなと。


恭平始まりの曲、グッとシリアスな雰囲気を作るのがかっこよくてとても好き。基本がシルバニアの集まりのなにわちゃんだから、骨っぽい男の子のかたちをしてる恭平がリードを取るだけで一気に曲の顔が変わるのが劇的で良い。

低いキーの歌い出し、恭平のフェイク、に続くのは恭平のビジュアルシンメのみっちー。あまりに美しい完璧な流れ!みっちーの声は清涼感があるふんわりとした色をしてるから、恭平よりさらに湿度の高い大吾の声との掛け合いのバランスが良い。二人とも輪郭の柔らかい声だから、みちだいパートでぐっと色気が出るのがすてき。

からの大西流星さんの硬質な声の「Pride」がめちゃくちゃ効いててかっこいい!タピオカちゃんは見た目に反して二人とも声がかっちりしていて、それがこの曲では緊張感として作用してる気がする。

さらに続く安定の丈橋、もう当然のようにハモるようになりましたねこのシンメは。年長コンビに「We can be everything」、僕らは何にだってなれる、を当てたセンスよ。柔らかく溶け合うふたりぶんの声で歌うのが、まだ何も決まってない、これからまだまだ何にだってなれるって宣誓のような。

恭平がセンターを取って歌う「歌舞けあるがまま」があんまりにも素晴らしくて度肝を抜かれた。

「歌舞く」、「風体や行動が華美であること、色めいた振る舞い」を「あるがまま」にできるのは、ナチュラルボーン自然体ナルシストの恭平だけで、これは彼のための歌詞だと思う。歌舞けあるがまま、ほんと素晴らしい、めちゃくちゃ恭平のフレーズ。

流星の歌う「冷たい雨 どれほど撃たれようとも」、「打たれる」じゃなく「撃たれる」なのが、けっこうえぐくてびっくりした。身を貫かれるような冷たい雨に撃ち抜かれても、それでも「凛として鮮やか 威風堂々と」、ここに立つ、そういう、なにわ男子の決意表明の直後、「Shall we…?」って、こっちまでその決意に引きずり込んでしまおうとするところが、すごい。丈くんの「寄ってらっしゃい 見てらっしゃいナニワの心意気」でお客さん扱いされてたはずなのに、これじゃいつのまにか共犯者だ。


なにわちゃん、ひいては昨今の関西には話に聞いてた頃の関西ほど関東コンプレックスは強くないように感じていて、それでもやっぱり関西背負って乗り込むからにはこれくらい気合いの入ったバチバチの一曲が必要なんだな、そしてそのセンターに立つのが、大吾でもみっちーでも大橋くんでもなく、恭平だったんだな、というのが、なんだか関西の新しい戦い方を見たようで、興味深くてたのもしい。飄々として負けん気強くて、とても愛情深い彼らのかたち。


「太陽も西へ沈む このまま Shall we all night?」、ここの歌詞がとても好き。

「太陽が東から昇って西へ沈む」、当たり前のことなのに、「すべては東から始まる」って言ってるみたいで、西の人間の関東コンプレックスを乗っけると妙に悔しくなってしまっていたんだけど、ここの歌詞では太陽が西に沈む分長い夜を一緒に遊ぼうぜって言ってように取れて、それはひどく自然で、なにも気負ってないふうで、やっぱりここが恭平のパートなのが、とても良かった。そんな軽やかな西特有の東へのおもいの翻し方があったんだな、ととても気持ちが明るくなった。令和の関西ジャニーズJr.としてのなにわ男子の未来を見た気がして。

Shall we…?は、なにわ男子に新しい風と煌めきを運んできたなあ、とおもう。

最後の締めを任された丈くんが「飛び立って消え行く雲間に」の歌詞に合わせてぱっと手を開くのが、ちょっと悪い魔法使いみたいで好き。この手が開いたらもう魔法は解けて、さっきのは夢だったんじゃないかと思ってしまうような遊び心のある手の動き。




対するSoda Pop Love、も〜〜〜〜文句なし百点満点のキラキララブソング!大粒のラメ!ホログラム!グリッター!全部盛り海外コスメ!ってかんじのキラッキラ!


先述したとおり硬質な流星の、高音をきちんと叩く歌い出し、続く芯があるのにとろりとした不思議なマンネの声、なんとなく流星がサイダーならマンネはそこに合わせたシロップかな。しかし二人して「恋に弾けよう」がこんなに似合う微炭酸の声ある!?もうそりゃこんなに可愛い子たちが歌い出しなんだから可愛い曲に決まってる、なにわ男子の『カワイイ』の真骨頂が全部詰まってるところがこのたった2フレーズで証明されてしまう圧倒的な説得力。抜群に可愛くてとっても賢いタピオカちゃんがシンメであることの心強さよ。

流星の「グラスから飛び出した泡のように」がめちゃくちゃ好き。話し声に近い、芯のある不思議な歌声だなあとずっと思ってたんだけど、あれはなにわの曲が流星の話し声のキーに近かったからなのかなあ。ギリギリの裏声にいかない、けどはっきり『歌声』ってわかるキーの流星の声、めちゃくちゃ澄み渡っててやっぱり硬度が高くてとってもすてきだった。冬の晴れた空みたい。

更に続くカラッとした大橋くんの声のフェイクが良い、こっちは初夏の風連れてきた感じがすごい。

Shall we…?で特記したメンバーとまるで真逆の子たちの名前ばっかりつらつら挙がるの面白いな、やっぱり対になる曲なのかな。

「まっすぐな瞳 描いてる未来」「生まれ変わったように(僕も自分らしくいられる(キモチ)」、Aメロで早めに湿度の高いきょへだいパートを持ってきたのがバランス良い。柔らかめの声の丈くんにボコーダーをかけて硬度を高めた「爽やかな君の笑顔 僕のココロをPop!」、からのさらりとした肌触りの大橋くんの声の「煌めいたこの出逢いは 偶然じゃない」。サビに入る前ではっきり下ハモが鳴るとなんだかウキウキしちゃう。駆け上がるようにサビへ、もうこの予定調和が気持ち良くて仕方ない。意表を突いた転調もラップもテンポの変化もない、ただただキラキラして『キミ』とつくる未来への希望が詰まってて、ひたすらに明るい曲、それがこんなに泣けてしまう。


さっきShall we…?で散々こじつけ考察しといた口でこれ言うのもなんなんだけど、アイドルが歌ううたに、必ずしも何か理由や物語があるわけじゃないわけで。Soda Pop Loveは、ほんとうに、なにわ男子が、なにわ男子と恋するみんなのためにもらった、キラッキラの『僕対キミ』の、「Fizzy Fizzy Follow me」、とってもさりげなく可愛く、でもはっきり僕についてきなよって歌う、一対一のラブソングで、それが正解なんだと思う。


キラキラしたものに対して、わたしはなんとなく心が無防備になってしまう自覚があって。奇を衒ったものや難しそうなものにはそれなりに心構えして向かうのに、キラキラってなんとなく、ぱかんと開いた気持ちのまま迎え入れてしまう。だからこそ油断してると深く刺さって抜けなくて、ときには無性に泣けたりする。なにわ男子の持つ煌めきって、そういやそんなんだったな、舞台の上でただ飛んで跳ねて歌って、ときどきメンバー同士にしか分からないアイコンタクトで笑い合って、そういう姿を見てるとこっちまで幸せになってばかみたいに泣けるんだった、って、そういうことを思い出させてくれる、問答無用のキラキラソング。


マンネが公演のご挨拶で「今は大変な時期ですが」と繰り返した、まさに経験したことのない、いつまで続くのかわからない出口の見えない閉塞感の中、Soda Pop Loveが、しゅわしゅわ弾けたキラキラの泡で心を満たしてくれたような、そんな気がした。まさに「僕のココロをPop!」、だなあ。



同じタイミングに全然違う顔した二曲を、予定より半年近くズレてはしまったけど、こうして見せてもらえてほんとうによかった、コロナはぶっころだけど、配信でみんながせーので見られたのは良かったなと思う。まさかのど平日1014時公演はびっくりしたけど。出勤時間か。

Shall we…?もSoda Pop Loveも恭平が楽しそうなのがなんだかとっても嬉しかったなあ、きょろが笑ってると祖母も嬉しい。書きそびれたけどShall we…?のダンスコーナーで0番取った丈くんがえげつなかっこよかった話もしたかった。かっこよかったです。



衣装にひとつずつ増えたスパンコールみたいに、これからもたくさん増えていく煌めきを見せてもらえたらいいな、きっとそうなる未来が来るな、そう確信したふたつの新曲の話でした。